「西東京子ども放課後カフェ」は、2017年7月9日に平成29年度西東京市公民館市民企画事業「講演会中学校にカフェをつくろう!」を企画運営しました。   FBのイベントページの興味あり、は前日までに1000人を超え、当日も暑い中100名を超える方にお越しいただきました。

 

一時間目 事例発表

 

小金井市立緑中学校の放課後@ほっとカフェは放課後子ども教室の制度を利用し、三小おやじの会の男性が中心となり運営しています(サラリーマンのお父さんが半休をとること自体がすごい)。居心地をよくするたくさんの工夫。遊び心、japanese day としてお抹茶をたてたり、赤ちゃんが遊びに来たり、生徒が様々な大人と接する機会となっています。 

 

田無第一中学校の放課後カフェは、緑中の放課後カフェを見学した育成会のメンバーが中心となって実習室で年6回実施・ちょっと変わったカードゲームや、ストレス発散できるものを用意しています。ここの特徴は地域の方を巻き込んで世代を超えた交流が生まれているところです。

 

その後、この試みは西東京市内にひろまり、青嵐中学校では図書室でブックカフェとして主任児童委員さん、民生委員さんなどを中心に実施、さらに児童館もまきこんでひばりが丘中学校でもはじまりました。

 

中休み カフェ体験

 

第二会場(定員を超えたため中継用に別室を用意)では、放課後カフェ体験として

普段青嵐中学校・田無第一中学校でカフェマスターをしている方が大人の参加者にいれたての珈琲や冷たいのみものを提供。実際に生徒さんが遊んでいるゲームの展示、カフェ紹介の掲示をみなさん熱心にみていかれました。

 

二時間目 

石井正宏さん講演会

 

神奈川県の県立田奈高校はクリエイティブスクール(困難校)として独自の取り組みをしています。その中で交流相談事業を「ぴっかりカフェ」という高校内居場所で実施しているNPO法人パノラマ理事長の石井さんにお話をしていただきました。

 

石井さんが長年ひきこもりやニートの方の支援をされてきた中で、いくら雨漏り(支援が必要な方)を受けるタライを多くしても、数を増やしても、穴をふさがない限り問題はなくならない(かえってタライの数に合わせて大きくなるばかり)。ということで、困難を抱える高校生を社会につなぐ活動をされています。

 

これがっ! とても支援をしているようにみえないんです。ボーダーを着た陽気なおじさんがウクレレをひいたり♪レコードかけたり。近所のおじさんが美味しいスープをつくって持って来てくれたり、いろんな大人が出入りして高校生に逆に相談に乗ってもらったり(!)しています。

 

困難校の生徒は公立中学校に比べて発達しょうがいを抱える割合が高く15%程度いること。また経済的にも母子家庭など厳しい状況に置かれている生徒が多いこと。結果中退をしてしまい、そのまま社会からも排除されてしまう。

 

これを予防するために、高校と社会をつなぐために地域の方に積極的にはいってもらい、生徒の人間関係資本になってもらう。また様々な体験が不足している生徒に、文化的な活動(浴衣を着る、海老のビスクを食べる、楽器を演奏するなど)をシャワーのように浴びる中で徐々に自信をつけ、「俺なんて、私なんて」という状態から「できるかも、やってみよう」と進学や就職に前向きな状態をつくることができる。

 

この中で大切なことは、スティグマ(恥辱)を生まない支援であること。自分だけが支援を受けている、特定のグループとしてカテゴライズされる、それらがバレる。これはNG

また役割が固定化しない状況(支援者が逆に高校生に若者文化を教えてもらったり、子育ての悩み相談にのってもらったり)も大切。 

 

また本人はなにが課題なのか分からずに困っている場合。この大きな不安な固まりをほぐして、小さくしていくとそれぞれにたいして何をすればよいのかが見えてくる。

 

居場所として 学校でもなく家庭でもない3rdプレイスを持つことの大切さがいわれているが、いきなり3rdプレイスにたどりつけないことも多く、学校内に3rdプレイスにつながる、2.5プレイスがあることで地域や社会、支援機関につなげることが出来る。

 

「ノブレス・オブリージュ(noblesse oblige)」持つものが持たざるものへ渡す義務。でもその義務を果たしているときにこそ、一番充実感を感じることができる。今日話を聞いて知ってしまった責任を果たして欲しい。

 

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石井さんの素晴らしいお話は心をうち、真剣なまなざしと熱気が会場をおおいました。